ピュージェット湾の朝霧は、6月から8月にかけて特に濃くなります。前日の暖かい空気が夜間に冷やされ、水面との温度差が霧を生む。早朝6時に出航するカスケード・モーニングクルーズは、この霧の中を走ります。霧の中の撮影は難しいですが、それ以上に面白い。

朝霧の中での露出設定

霧の中では光が拡散し、コントラストが低くなります。カメラの露出計はこの状況を「暗い」と判断しがちですが、実際には霧全体が均一に明るい状態です。露出補正を+0.7から+1.0程度に設定すると、霧の白さが飛ばずに残ります。ISOは400から800程度が扱いやすく、シャッタースピードは船の揺れを考えると1/250秒以上を確保したいところです。

霧が晴れる瞬間を待つ

朝霧は一定ではなく、風や気温の変化で局所的に晴れることがあります。カスケード山脈の稜線が霧の上に突然現れる瞬間は、予測できません。船のデッキ前方に立ち、山の方向を向いて待つことが基本です。霧が薄くなる前に、山の輪郭がシルエットとして浮かび上がる瞬間があります。その数秒が、この便で最も撮りたい瞬間です。

水面の反射を使う

早朝のピュージェット湾は風が弱く、水面が鏡のようになることがあります。船の速度が落ちたとき、あるいは停船したときに、水面の反射を使った構図が生まれます。船の舳先から真下を見下ろすと、霧と水面が溶け合う抽象的な画面が得られます。広角レンズよりも、50mmから85mm相当の焦点距離の方が、この場面では自然な遠近感が出ます。

機材の保護について

霧の中では機材が湿気にさらされます。レンズの前玉に水滴がつくことがあるので、マイクロファイバークロスを手元に置いておくことをお勧めします。カメラバッグはデッキに置かず、船内の棚に入れておく方が安全です。Cedar Harbor Lineの船内には、機材を置けるテーブルがあります。

早朝便に乗る写真家の方には、出航前にMarcusに声をかけてみてください。その日の霧の状況や、どの方向に山が見えやすいかを教えてくれます。